2020年9月、古川黎明中学・高等学校様にてUD(ユニバーサルデザイン)フォントを活用したスライド資料作りの授業を実施しました。古川黎明中学・高等学校様はSSH校にも指定されており、探究力(主体的に探究を続け、新たな価値を創造する力)の育成を目指していることから、今回の産学連携プロジェクトの実施につながりました。
生徒たちは、PowerPointで資料を作ったことはあっても、相手に伝わりやすい資料づくりとなると、そのポイントなどは授業では習わない事がほとんどです。そこで、「伝わるレイアウト」と「書体選び」のポイントをモリサワからお伝えしました。 授業を通して、少しの工夫で資料の「伝わりやすさ」に大きな違いが生じることを、実感してもらうことが狙いです。 また今回の授業は、モリサワが掲げている持続可能な社会に向けたビジョンである「文字文化の継承」にも当てはまります。
(モリサワのSDGsの取り組みについてはこちら)
こちらの記事では、生徒向けに行った授業の様子や、生徒の実際の声をご紹介します。
【生徒向け授業 実施内容】
1学年の生徒さんに、各クラス2回ずつ授業を実施しました。
まずは1回目の授業で、行間や文字サイズなどのレイアウトに関するポイントをお伝えし、ちょっとした工夫を行う事で、相手に伝わりやすくなる事を学びます。そして、生徒さんは授業の内容を活かし、モリサワが用意したサンプル(SDGsに関する説明文とロゴが配置されているスライド)を編集します。
2回目の授業では、UDフォントとは何か、文字はどのように選ぶのかについて学び、前回作成したスライドに授業で学んだ内容を反映させます。
それぞれの生徒が、伝えたい対象は誰なのかを想定しながらスライドを作成しました。
高齢者に伝えたい場合はUDフォントをメインに使用し、文字数は少なく、かつ太く大きく。小学生に伝えたい場合は難しい説明を省き、やわらかい印象のUDフォントを使うなど、たくさんの工夫が見られました。
【授業後のアンケート】
授業実施後の生徒さんからの声をご紹介します!
一部抜粋してご紹介いたします。
【質問】2日間の授業は、今後どのような場面で役立つ内容でしたか?
【回答】
・保育士になろうと思っているので、お便りを作る時に子供と保護者の方々が見やすく作れると思う。
・私は教師になるのが夢なので、子供向けや、保護者向けで使い分ける事ができそう。
・社会に出た時資料作りなどの際に、誰に伝えるかによって資料の作り方や内容が変わることもしれたので、絶対役立つと思った!!
【質問】学内でUDフォントが使われたらよいと思う場所はどこですか?
【回答】
・プリント、テストなど。左目が弱視なので、小さい文字で明朝体やポップ体だと読みにくい。
・学校の配布物。
・先生たちの授業の時のスライド。
・体育館やトイレなどお客さんがはいるところ。
【質問】2日間の授業で、もっと詳しく聞きたかったなどご意見ご感想がございましたらお聞かせください。
【回答】
・より人に伝えるための工夫を知りたいと思った。
・資料作りについて理解出来たし、読む人にとってわかりやすいものができるようにしたいと思った。
・これから役立つ様なものばかりで、とても勉強になった。これからスライド作りなどに活用したい。
【2日間の授業を通して】
具体的な活用場面をイメージしてくださった生徒さんが多く、大変うれしく思います。また生徒さんの中には弱視で普段から読みづらさを感じている方もいらっしゃいました。UDフォントの活用によって、全ての生徒が同じ環境で学ぶことのできる、最低限の配慮が進むことを願います。
今回の取り組みを、地元紙の大崎タイムス様に掲載いただきました。
次回の記事では、授業の内容を大いに反映いただいた生徒さんのスライドと、先生からのコメントをご紹介します。