コラボ企画

2020.01.15

専門学校HAL × モリサワ 産学連携プロジェクト2019

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専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)と株式会社モリサワが、「フォントの感性を“ON”にする」コラボレーション企画を行いました。

今回のテーマは、ズバリ「漢字の感じ」。

漢字1文字を選び、その文字の持つイメージを書体を使ってビジュアル化する、というお題です。漢字の意味をビジュアルで表現する際にぴったりの書体を選ぶため、表現方法だけでなく、書体についてもよく考えることが必要です。そんな難しいお題に、HALの学生たちはどのように取り組んでいただいたのでしょうか?

ここでは、モリサワが書体の魅力が引き出せていると感じた、優秀賞に輝いた5作品をご紹介します!

「壊」(HAL東京 林大智さん) 使用書体:UD新ゴ


「壊」という字を、おもちゃやレンガ、コンクリートのブロックが壊れるイメージで表現していただきました。四角くカドがあるブロックのイメージから、シンプルなゴシック体を選んでいただきました。

「壊」という字を壊す、というシンプルな表現ですが、 壊れているように見えつつも、きちんと元の字が理解できるバランスで成り立っているのが良かったです。UDフォントを壊す、という発想も面白く感じました。

「延」(HAL東京 禹芝文さん) 使用書体:モアリア


「延」の文字の形から感じたリズム感を表現するために、線にリズム感があるエレメントの「モアリア」を選んでいただきました。

「延」の文字から感じたリズムと、「モアリア」自体のデザインの面白さ、軽やかさがマッチしている作品だと感じました。ウエイトの選択、白黒の使い方や配置もよく考えられています。

「映」(HAL名古屋 小林大輔さん) 使用書体:カクミン


「日」をスクリーンと映写機から伸びる光、「央」を映写機に見せたユニークな作品です。光をゴシック体の直線、映写機の部品を明朝体のウロコで表現していただきました。

「カクミン」の明朝体とゴシック体の特徴を併せ持つような形を理解し、今回のテーマに選んでくれたのが評価ポイントでした。

「膨」(HAL大阪 小倉靖広さん) 使用書体:トンネル

 「トンネル 細線」の食い込んだようなエレメントを生かして、風船のように立体的な膨らんだ表現で、インパクトあるポップな作品になっています。

よく書体を観察していて、同じ「トンネル」でも、「太線」ではなく、より立体感の強い「細線」を選んでいるのも、納得感がありました。

「剥」(HAL大阪 白石睦実さん) 使用書体:ヒラギノ角ゴ


壁面に貼られたポスターやテープが剥がれる様子を、直線的で肉厚、かつ平面さを感じさせる「ヒラギノ角ゴ」で表現していただきました。

一目で何を表現したいのかがわかりやすいです。平面的ですが、先端が少しだけ広がるような「ヒラギノ角ゴ」のエレメントをよく観察し、物理的なイメージが広がる書体を選んでくれたのだろうと感じられました。

次回の記事では、受賞された作者の方に、インタビューさせていただきます!
お楽しみに。

専門学校HAL(東京・大阪・名古屋)と株式会社モリサワが、「フォントの感性を“ON”にする」コラボレーション企画を行いました。

前回の記事では、「漢字1文字を選び、その文字の持つイメージを書体を使ってビジュアル化する」という課題と、優秀賞受賞の5作品を紹介しました。
今回の記事では、受賞者の5名の方に行ったインタビューをご紹介します。

HAL東京 林大智さん(写真左)、禹芝文さん(写真右)

Q.課題を聞いた印象

林さん「面白そう、いろんなことができそうと思いました。以前、文字をテーマにしたイラストを描いたので、好きな課題が来た!と思いました(笑)」

禹さん「以前は彫刻を専攻していたのですが「元々の形を変える」という課題だったので、繋がりを感じました」

Q.表現に合わせた書体を、どのように選びました?

林さん「壊す表現に合いそうな書体を当てて、イメージを確かめました」

禹さん「私は最初に書体一覧ページで書体を調べて、書体から決めたのですが、パッと見たときの「モアリア」のリズム感に惹かれて選びました」

Q.この課題に取り組む前後で違いはありましたか?

林さん「今回は先生とも相談しながら、たくさん案を出しました。これはないだろう、というものも検討して、ブラッシュアップしていくことを学びました」

禹さん「私は3Dモデラー志望で、グラフィックの課題はフォントの使い方もわからなかったです。この課題に取り組んだら、グラフィック以外でも、生活でも文字は大事だなと考えるようになりました。広告などを見るときに、すれ違うときに、こういうフォントを使っているんだと考えるようになり、表現できる範囲が広がったと思います」

HAL名古屋 小林大輔さん

Q.課題を聞いた印象

「こういうのがいいかな~とイメージは思い浮かんだんですが、結構ありきたりな発想になってしまって。そこからテーマを見つけるのが大変でした」

Q.表現に合わせた書体を、どのように選びました?

「漢字を見て、調べながら進めていたところ、ゴシック体と明朝体の特徴を併せ持つ「カクミン」に出会いました。

今の形にまとめるまでに試行錯誤しましたが、先生からのアドバイスもあり、「日」を直線的に伸びる光、「央」を映写機の形にすることで完成できました」

Q.この課題に取り組む前後で違いはありましたか?

「元々はフォントについてはあまり気にせず、課題などでも曖昧に選んでいたのですが、きちんと意識するようになりました。フォントのことを知ると、この中から選ぶのは大変だと思いました。元々ノベルゲームの会社に入りたいと思っていて入学したので、これからたくさんフォントを使っていきたいです!」

HAL大阪 白石睦実さん(写真左)、小倉靖広さん(写真右)

Q.課題を聞いた印象

小倉さん「…どういうこと?と思いました(笑)そこから、作品に合ったフォントの意味を考えるようになりました」

白石さん「元々、イラストに合う文字について考えてみたり、文字を拡大して見てみたりするのが好きだったので、面白そうな課題だなと思いました」

Q.表現に合わせた書体を、どのように選びました?

小倉さん「いろんな漢字の案を出していって、ピンときたのが「膨」でした。この文字にぴったりのフォントを探していたら「トンネル」に出会い、なんだこの可愛いフォントは!となりました(笑)」

白石さん「私は剥がれるという漢字のイメージがすぐわき、直線的なゴシック体の中でも、かっちりしすぎないところに魅力を感じて選びました」

Q.この課題に取り組む前後で違いはありましたか?

小倉さん「フォントへの意識が変わりました。こんなにいろんなフォントがあるんだと気づくことができました。アニメーター志望なのですが、これからポートフォリオなどにも使用したいです!」

白石さん「私はこれまで文字を変形させるという経験がなかったので、イメージに合った加工をすることで、文字がデザインや下手したらアートにもなったりするのかなと新鮮に感じました」

今回課題に取り組んでいただいた皆さんは、これからさらに専門分野に進んでいきます。どの分野に進んでも、書体をどのように選び、なぜ選んだのか自分の言葉として説明する力は、たくさんのシーンで役に立つはずです。

この課題が、「フォントの感性を“ON”にする」きっかけとなっていたら嬉しいです!