素敵なメンバーをおひとりずつ紹介する【モリパス部 メンバー紹介】
今回もモリパス部 顧問 橋爪(ハシヅメ)がお伝えします。
今回は、
吉田圭佑(ヨシダ ケイスケ)さん
武蔵野美術大学 造形学部 基礎デザイン学科 3年
好きな書体は「ららぽっぷ」
吉田さんは、
東京〈Tokyo〉 ×書体 〈Typography〉
のお題で、写真集を制作してくれました。
しかも、「東京」という文字が様々な街で姿を変えながら歩く姿の写真集です!
コンセプト
「街の風景に合わせ、モリサワフォント様々な印象のフォントで、東京の街が持つ多種多様な個性を表現しようというのが狙いです!」とのこと。
書体の選定にも、しっかり理由を持って、選んでくれました。
熱い想いを少しだけ紹介します!
銀座 には「モアリア」
銀座は古くから都会として栄えた街でもあり、常に新しさを追求し続ける街である事から、明朝体の要素を持ちながらも自由なエレメントを持つモアリアを。
渋谷 には「丸フォーク」
渋谷にはビルが多く立ち並び、尖った個性を持った様々な文化が存在しながらも全てが調和し、丸く収まっているという点から、丸フォークを。
勝どき には「はるひ学園」
学園という名前を持ちながらも自由な形をしていて、夜の勝どき橋を眺めるカップルと同じ若々しさを感じる、はるひ学園を。
赤羽には「竹」
赤羽では毎年4月に馬鹿祭りが行われ、さらには個性的な人が多い街として知られている事から、太ましく個性が有りながらもしっかりとした形を持つ「竹」を。
十条 には「うたよみ」
十条の駅舎や商店街を歩いていると懐かしさを感じる事があります。うたよみを初めて見たときにも懐かしさと温もりを感じ、この街に似合いそうだと思いました。
数年後には再開発により、この商店街の前に大きなビルが建つそうです。もし、その時にもう一度この街を歩いたとすれば、もう「うたよみ」を感じさせない街に変わっているかもしれません…
一番、苦労したところは文字を街の中に存在させる事。
ただ文字を3DCGで立体化し、街の風景と合成しただけでは文字が馴染まず、不自然な光景になってしまったそう。そこで様々な試行錯誤があった様子です。
- 文字の足元に存在する影の向きを周囲の景色と合わせる
- 文字に映り込む景観を360°カメラで撮影し、マッピングの後、文字に反射させて表現
さらに、「3DCGはコンピューター上の世界で作られた以上、埃も纏わない完全に綺麗な姿になるのですが、この世界で存在するには綺麗すぎるのです!」とのこと。
「全ての物はこの世に生まれてから周りの環境の影響を受けて少しずつ劣化していくので、この写真集の文字も劣化しているべき!」と…そこで文字自体にあえてノイズを掛ける一手間を加えたそうです。それで、より自然な風景になったわけですね。
今後
今回の制作では様々な学びがあったそうです。
「東京という文字が街を歩く光景」を描くだけでなく、「東京という文字が主役の物語」をつくるという事も目標にしたので、ページ内の文章は全て自作。
力を込めた文章でしたが、講評の際、下浜臨太郎さんには
「本の中に書かれている文章を『文字を見ている側の気持ち』にするか、『歩いている文字の気持ち』にするか決めた方が良いね」
と、アドバイスをもらった様です。
「主観と客観、両者の視点になる事であると改めて気づかされた出来事でした。今後は作品をつくるうえで、文字も登場人物なのだという事を大切にし続けたいと思います!」
と、デザインワークの心得とフォントの感性が両方ONになってくれた吉田さんです。
後半はフリーマガジンチームで活躍してくれる予定なので、今後の吉田さんの活躍も期待してます!