コラボ企画

2022.07.29

東洋美術学校× モリサワ 産学連携プロジェクト2022

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専門学校東洋美術学校と株式会社モリサワが、「フォントの感性を“ON”にする」コラボレーション企画を行いました。東洋美術学校の学生の皆さんに、よりフォントを身近に感じられるような課題に取り組んでいただきました。

今回のお題は「春」をテーマにしたポストカード。
自分が思う「春」の単語で、そのイメージに合うフォントを選び、「春」を連想させるポストカードのビジュアルを制作いただき、モリサワ担当者にも解説いただきました。

ここでは、見事最優秀賞・優秀賞に輝きました作品とモリサワ担当者からのコメント、最優秀賞受賞者へのインタビューをご紹介します!

 最優秀賞(1名)

「風光る」(田久保 夢華さん) 使用書体:モアリア

モリサワからのコメント

「風光る」という春の季語を使い、「春の咲きたての新芽の香りのイメージ」を膨らませた上で、フォントをより理想のイメージに近づけるため、エレメントを加工されています。

何を表現したいのかという意図が明確で、解説もわかりやすく自分の言葉で伝えられているのが素晴らしいと感じました。 色の選択にも統一感があり、爽やかにまとまっています!

優秀賞(5名)

「花粉症」(三國 美徳さん) 使用書体:プリティー桃

モリサワからのコメント

「プリティー桃」の勢いの良いエレメントから、花粉症のつらさに繋げたアイディアが印象的でした。つらい花粉症ですが、ポップで明るいデザインで、ともに乗り越えようというメッセージも素敵です!

「春霞」(濱田 春花さん) 使用書体:A1明朝

モリサワからのコメント

やわらかく、墨だまりが特徴的な「A1明朝」をそのまま使うのではなく、変形やグラデーションをうまく使い、自然に溶けこませています。ビジュアルだけでも「春霞」のイメージが伝わってきます。

「春眠」(小川 このこさん) 使用書体:はるひ学園

モリサワからのコメント

「はるひ学園」の途切れるような形を生かし、心地よい眠りに落ちていく様子を表現していただきました。透明度の調整ややわらかい色使いなど、グラフィックデザインの丁寧さの評価が高かったです。

「桜の絨毯」(安川 日菜さん) 使用書体:A1明朝

モリサワからのコメント

大胆な構図と「文字を花びらが舞っているように配置し、下に落ちるにつれ絨毯の色に近づく」という細やかな工夫が面白い作品だと感じました。背景の詳細を削ぎ落としたことで、文字の動きなどの工夫に興味がひかれるデザインになっています。

「穀雨」(三浦 莉希さん) 使用書体:解ミン 宙

モリサワからのコメント

「解ミン 宙」の雫のようなエレメントを生かし、シンプルながらまとまりあるデザインを作成いただきました。選択したウエイトや色彩も、「植物に優しく降る雨」のイメージにぴったりだと思います。

最優秀賞者インタビュー

Q1.今回の課題をはじめて聞いた印象は、いかがでしたか?

文字を加工した経験がなかったので、書体の製作者に失礼のないようにデザインできるか少し緊張しました。
しかし、自分の持つイメージに合うように書体を加工をするのは楽しかったです。春のイメージと聞いたとき、真っ先に新芽やひだまりの香りが思い浮かんだのでなんとか形にしようと努力しました。

Q2.今回の課題でこだわったポイントはどこですか?

書体の加工と背景のデザインです。
書体の加工は自分のイメージに近づけつつ、「モアリア」のイメージを壊さないように加工するのがとても大変でした。

春の柔らかな香りに合うように、先端を丸くしたり少しだけ膨らませるなどし、エネルギッシュな「モアリア」に優しい雰囲気が増すようにしました。

背景のデザインは、加工した文字の良さを引き出すものを作るのがとても大変でした。
おひさまの光と空の色をミリ単位で動かしながら、どの位置に配置すれば一番文字を目立たせることができるのかと試行錯誤をしながら作業しました。

そして、右上から左下へ流れている曲線の表現にもこだわりました。黄緑色や桃色の曲線の縁を山吹色や緑色にし、キラキラと輝くイメージを感じやすいようにしました。半透明の曲線も付け足し、ベールのような春の爽やかでやわらかい風も表現しました。

Q3.今回課題に取り組む前と後で、変化したことはありますか?

課題に取り組む前はどこまでの範囲なら書体を加工して良いのか分からなかったのですが、課題に取り組んだことで変形をむやみに行わなければ、自分の表現したいことを書体の良さを活かしつつ加工することは大丈夫だと分かりました。書体を加工し何かを表現することは、書体と力を合わせてより良いデザインにしようとしているようで楽しかったです。

これからも、書体のことをもっとよく理解し、仲良くなろうと思いました。

最優秀賞を受賞された田久保さんですが、フォントの魅力をそこねないよう気を付けながら、自分の伝えたいイメージに近づくように加工する難しさがあったようです。

この課題が、よりデザインやフォントを考えるきっかけになっていればうれしいです。これからも楽しみながら、フォントと仲良くなってくださいね!

参加いただきました東洋美術学校の皆さん、ありがとうございました!