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2022.07.27

【自治体Day】広報の基本の「キ」講座

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共生社会に向け、多様な人々に質の高い教育を提供することや生活する上で必要な情報をしっかり届けることが重要視されています。2022年5月末のオンラインイベントで、【教育Day】では母語以外の言語習得とUDフォントをテーマに、【自治体Day】では自治体の広報と共生社会をテーマに構成し、各業界の専門家をゲストにお招きしてさまざまな講演を行いました。 

今回は、5月31日(火)に行われた、元自治体広報担当で、現在は自治体広報アドバイザーとしてもご活躍の佐久間智之さんを講師にお呼びした『広報の基本の「キ」講座』パートをレポートします。

自治体広報の基本についてだけでなく、「PowerPointで学ぶデザイン基礎」と題し、実際のアプリケーション操作に関するアドバイスなどもお話いただきました。

セミナーレポート

セミナーの満足度

参加者の声

参加者
参加者

改めて住民に寄り添った、住民に伝わる広報を心掛けていきたいと思いました。

参加者
参加者

フォントの使い分けや、さらに実践的な応用編・上級者編も知りたい。

参加者
参加者

とても分かりやすく、発見が多かったです。広報担当になってすぐにこの講習を受けられてよかったです。伝え方について、よく考えてみようと思いました。ありがとうございました。

セミナーの内容

『広報の基本の「キ」講座』 

PRDESIGN JAPAN株式会社 代表取締役
佐久間 智之(さくま ともゆき) 氏

広報は”一方通行”で情報を発信(アウトプット)するだけでなく、住民の方々の意見や考えを広聴(インプット)することが大切です。仮に自治体が「情報はしっかり出している」と思っていても、それを受け取る住民の方が「文字だらけでわかりにくい」と感じていたら、その情報は無いに等しいことになります。 

別の言い方をすれば「伝える」と「伝わる」は違うということです。情報を伝えても、「伝わる」とは限りませんので、いろいろと工夫をする必要があります。特に「誰のために発信するのか?」「なんのために発信するのか?」と、原点に立ち返ることは重要です。 

2016年には「障害者差別解消法」が施行され、情報のユニバーサルデザイン(UD)化が進んでいます。たとえばフォントにおいても、UD化されたものは誤認が少なく配慮されたデザインになっています。ただ、UDフォントも決して万能ではありません。行間が詰まったり使い方を間違えたり、使い方を間違えると読みづらくなるので、適切に使用することが必要です。 

それから、今後は外国人への配慮も必要になるでしょう。たとえば、モリサワさんが提供しているカタログポケットというアプリは、日本語で作ったPDFデータを自動翻訳してくれ、対応言語も10言語と多いです。さらに読み上げ機能が付いていますので、視力に障害のある方にとってもやさしいツールです。 
※佐久間さんからもご紹介があった、カタログポケットに興味がある方はこちら

誤解や苦情などを防げれば、窓口や電話での問い合わせが減り、業務負担が軽減されるという好循環が生まれます。いろいろな手段やツールをうまく使って「伝わる広報作り」に役立てられるといいと思います。作りっぱなしではなく、広聴することがとても大切です。 

『PowerPointで学ぶデザイン基礎』 

色の統一やメリハリなど、デザインを見えやすくするための要素はいろいろあり、それらを整えればパワーポイントでも見映えのよいデザインに仕上げることが可能です。ここでは簡単に、5つのステップにわけてご紹介します。 

STEP1 「狙い・ゴール・ターゲット」

誰になにを伝えるか、情報過多になっていないか、などを改めて精査してみましょう。

STEP2 「素材集め」

フリー素材を用意したり、イベント開催の日時や場所といった情報を整理しましょう。 

STEP3 「見出し」

見出しは文章ではなく、情報が瞬時に入ってくるようなキャッチーなものである必要があります。

STEP4 「レイアウト」 

おすすめは「7:3」でレイアウトすることです。縦長であれば上側7割に写真やイラスト、下側3割に文字情報をまとめます。人は上から見るクセがありますので、ビジュアルを上側に持っていくことで目に留まり、下の情報も読んでもらいやすくなります。

STEP5 「配色と装飾」 

色は3つに抑えつつ、それぞれの濃度を変えることで統一感とメリハリが出ます。また上下左右の端を揃えることで、見映えがよくなります。 

質問コーナー

当日はチャット機能を使い、参加者の方から質問を受け付けました。たくさんの質問が寄せられ、参加者の皆様の関心の高さがうかがえました。

参加者
参加者

色はどうやって選んだらいいですか?

佐久間さん
佐久間さん

やさしい印象になるので、色はパステルカラーがおすすめです!

参加者
参加者

どうやって、独学でデザインや写真を学びましたか?

佐久間さん
佐久間さん

疑問があったらGoogleで検索し、気になったものは画像を保存していました。

佐久間さんは一人一人の質問に対し、ズバッと的確に回答されていたのが印象的でした。 


なお佐久間さんには、今後のモリサワ企画セミナーでも、Officeアプリでの広報資料の制作についてお話いただく予定です。

「広報になったが、制作の相談をする人がいない」「チラシやプレスリリースをOfficeで作るときのコツが知りたい」「社内報やPTA広報、学校だよりを制作している」「UDフォントで広報資料を作りたい」といった方におススメのセミナーになります。

佐久間さんから直接、実践的に学べるチャンス、どうぞお見逃しなく!
詳細はこちらからご確認ください。

佐久間 智之

PRDESIGN JAPAN株式会社代表取締役。PR TIMESエバンジェリスト。総務省 地域力創造アドバイザー。厚生労働省 年金広報検討会構成員。早稲田大学マニフェスト研究所招聘研究員。元公務員で在職中に全国広報コンクールで内閣総理大臣賞受賞。自治体の広報アドバイザーや広報、PR、デザインの研修講師として活動中。『Officeで簡単! 公務員のための「1枚デザイン」作成術』(学陽書房)など著書多数。


自治体の課題解決に興味がある方、UDフォントの活用を検討される方は、下記よりお気軽にお問い合わせください。