ABK学館日本語学校さまにご協力いただき、日本語教師や日本語教師を目指す方向けに「UDフォント(UDデジタル教科書体)」と「伝わるレイアウト」に関するセミナーを2022年1月15日に実施しました。
日本語を学び始めたばかりの学習者にとっては、文字を習う際に印刷されたフォントの字形が、手書きと同じ形状をしているのか、デザイン的な要素を含んでいるのか判断が難しいという現状があります。そのため、フォントの字形をそのまま再現して書いてしまい、学びの障壁となる課題があるようです。
そのような業界特有のお悩みを持つ学習者と毎日向き合っている日本語教師にとって、UDデジタル教科書体はどう映ったのでしょうか?
参加者の感想
今回のセミナーでUDデジタル教科書体を知ったことにより、漢字の各書体からくる画数、字形の違い、筆順等、いくつかの問題点が解決できそうです。それに何より読みやすく、わかりやすいのが一番です。UDデジタル教科書体を多くの方に知っていただきたいと思いました。
フォントは奥深いと改めて痛感しました。「読んでもらえる資料作り」の工夫や配慮は大切ですね。行間・文字間隔・ジャンプ率… 、また勉強したいと思いました。UDデジタル教科書体、これがWindowsに標準搭載されたときは、まさに革命でした!これからも、モリサワさんのYouTubeやnoteなども見て勉強しようと思います。
UDデジタル教科書体の開発者が語る「UDデジタル教科書体の開発背景とデザイン」
UDデジタル教科書体のラインナップについて、モリサワnoteにてご紹介中!
【教材配信中!】UDフォントを使用した、日本語教育にも役立つ教材は下記よりダウンロード可能です。
参加者の資料の変化
セミナー受講前に作成していた資料
セミナー受講後に作成した資料
良くなったポイント
● 留学生にも分かりやすい、UDデジタル教科書体を使用
● 行間が広がり、読みやすくなった
いただいた
教師
授業では学生にスライドの文を音読してもらいます。学生には読む力の実力差がありますが、セミナー受講後に作成した資料を使った授業では、皆さんスムーズに音読できていました。
さらに、ノートにメモもきれいに書けていました。学生が積極的にメモを取っていたのは、ちょっと驚きでした
資料をご提供いただいた先生にお礼もかねた、モリサワからのフィードバックをご紹介
ABK学館日本語学校 亀山稔史 先生からのコメント
日本語教育では、非漢字圏(母語で漢字を使用しない)の学習者の漢字学習が大きなヤマの一つです。個々の文字の識別や書字で引っかかってしまったり、それができても漢字圏の学習者に比べて時間がかかったりすることがあります。そのことで、語彙の習得や読解などにも影響が出ることが少なくありません。
例えば書字では、教材の文字の飾り部分まで再現する学習者もよく見られます。筆画がくっつく、くっつかない、出る、出ないなど、教材を一生懸命見るのですが、フォントの字形によっては、見たままの形状を丁寧に再現した文字にバツがつけられたりします。
識別できて覚えやすく、書きの見本になるフォント、そしてスムーズな読みにつながる教材のレイアウトの仕方は、まさに日本語教師の求めるところの1つであることから、多くの参加者が集まったと思います。
参加者からは、「オンライン授業で見せる教材の見え方が気になっていたので、早速試したい」といった声も届きました。
セミナーにご参加いただいた教師の皆さん、ありがとうございました。
フォントが、多文化共生社会の実現のお役に立てば幸いです。