インタビュー

2018.03.19

関西モリパス部イベント『書体からみるデザインワーク』インタビュー紹介:丸井先生編

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218日に開催されたイベント「書体からみるデザインワーク」に事前インタビューでご協力いただいた先生方のお話を5回にわたってご紹介しています!イベントの限られた時間の中ではご紹介できなかったお話も!当日イベントに参加してくださった方も、今回は残念ながら参加できなかった方もぜひチェックしてみてください。

今回は、私、関西モリパス部の米川が所属する京都造形芸術大学の丸井先生です。

京都造形芸術大学
丸井 栄二 先生

Q.どのようなお仕事や制作をされていますか?

書籍のデザインがメインです。
去年、今年と京都造形芸術大学の大学案内を作ったし、他大学のニューズレターも作っています。あとは、作家さんの作品集や、展示会の図録。
書体に近いところでいうと、カレンダーかな。いちばん最初の就職先が企業のカレンダーを作っていたのを受け継いでやっています。
あとは、パッケージやポスターなどを手がけることもあります。

Q.お仕事での書体の位置付けは?

「音」ですね。

文字っていうのは、読むときに頭の中で音に変えるもの。だから、音がどういう風に届くのかというのを常に考えながら書体を選んでいます。例えば、同じ明朝体でもリュウミンはちょっとかっちりとした、機械音っぽい感じ。その一方で、秀英明朝だとちょっと優しくて強い印象。本明朝はちょっと細い声で、真面目な感じがします。アルファベットでも同じですね。イタリックになった途端、早口で伸びやかなイメージがありますし。なので、大学のニューズレターを制作する時は、内容をしっかり伝えるために明朝体を使う、ということがあります。

Q.フォントの感性が“ON”になった瞬間は?

夏場になると家が海水浴場で店を出していたので、そこで勝手にポスターを作るようになったんです。家にあったいろいろな印刷物を見ながら書体をまねて書くことが多くなっていったので、その頃から書体に興味があったのかもしれません。

書体をきちんと意識するようになったのは芸大に入学した時。
大学に写植機があり、書体を選べるようになっていたので、「こういうモノを作る時はこれ」という考え方はしていました。

もっと意識するようになったのは、就職してカレンダーを制作するようになってから。
見本帳を見ながら、カレンダーの数字をどれにするかっていうのはものすごくこだわってましたね。印画紙に焼いて、ひとつひとつ切って組む中で、ベースラインとかスペーシングも意識するようになりました。

Q.推しフォントは何ですか?

秀英体かな。
ファミリーがいっぱいあるから使い分けができて良いですね。

それにしても、「推しモリサワフォント」って選ぶのが本当に難しい。本明朝もよく使うけど、デザインする上では「絶対コレ」っていうのは無理ですから。「本明朝でしか組まへん!」ってなるのもおかしな話だし(笑)。