インタビュー

2018.02.06

日本大学 笠井則幸先生インタビュー

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日本大学
デザイン学科
笠井則幸 先生

Q.どんな授業を担当していますか?

グラフィックデザイン全般の授業を担当しています。

1年生は、基礎デザイン、図学から色彩構成。2年生は、タイポグラフ論、エディトリアルデザイン。3年生は、グラフィックデザイン全般のビジュアルコミュニケーション企画や、ブランディングなどを。4年生は、ゼミといったかたちで卒業制作を指導しています。

Q.フォントの感性が“ON”になった瞬間

社会人になってからですね。デザイナーになって、まだMacが出はじめの頃でしたので、書体もまだそんなに多くありませんでした。

会社で写植の見本帳を渡されましてね、それを見たときに初めて「デザイナーというのはこんなにたくさんの文字を扱わなくてはならないんだ」と気づきました。仕事の中で、ONになっていきましたね。

Q.好きなモリサワフォントとその理由

最近は秀英体シリーズを使用することが多いです。特に、秀英3号ですかね。ひらがなが踊っているというか、横組みすると使いづらくて、変な言い方をすると扱いづらい書体だと思います。それをいかに美しく組版できるかというのを自分自身で試せているような、最近はそんな感じがしています。リズミカルな雰囲気が出て、人の温もりだったりを感じさせるので、好きですね。

欧体楷書は字形がとても綺麗で、その美しさが好きです。美術館のポスターなど、ポイントポイントで和の雰囲気を出したいときによく使用しています。

新ゴは、字面が大きくデザインされているので、プロモーションデザインやキャッチコピーに使いやすいです。非常に可読性が高くて、安定感があるので、ゴシックを使う時はよく使用しています。

Q.先生から見たこの学校の学生って?

非常にナイーブというか、自分の中に、熱い想いがあるのにひた隠しにしている学生が多い気がしますね。それをいかに打ち破れるかということをサポートしていくのが、僕たち教員の仕事かなと思っています。一度殻を破れれば、色々と挑戦するのですがね。「ひよこ」になれていない「たまご」みたいな印象ですかね。

Q.スイッチが「OFF」になる瞬間

絵を見たり、体を動かしたりっていう時が一番OFFのモードになります。

もともと絵を描くのが好きで美大を目指したので、デザインでは無い純粋なファインアートを見たりするとリラックスできますね。あとは、単純に体を動かすことも好きです。ジムに行ったりとか。最近はあまり泳げてないんですけど(笑)

武道も好きですね。意外だと言われますが、高校の時は柔道をやっていて、大学では合気道をしていました。

Q.これからチャレンジしたいこと、興味のあること

デザイン関連でいうと、カリグラフィーや書道の勉強をしたいなと思っています。

それは、書体のことを理解したくてというのも理由のひとつですが、7年くらい前に、浅葉克己さんとカリグラファーの三戸美奈子さんが審査員をされた、ベルギーレターアーツ展という展覧会が横浜のバンクアートでありました。その際に自分が作った書体を出品したら、入選しまして、展示されたということがありましてね。
そこでは色々な日本のカリグラファーや、浅葉先生もそうなんですが、書道もされている日本の色々なデザイナーさんも出展されていたんです。その作品をみて「なんだかとても自由だな」と感じました。書とかカリグラフィーってもっと堅苦しいものかと思っていたんですが、とらわれなくてもいいんだなと気づいたというか。
今後チャレンジしていきたいことのひとつですね。