Tips/動画

2022.04.06

Fontビギナーズガイド2 ゴシック体と明朝体

見出し: 本文:

フォントメーカーのモリサワが、フォントの基礎知識をレクチャーするシリーズ。今回はフォントの基本の2本柱「ゴシック体と明朝体」について解説します。


皆さんは何か制作物を作るとき、どんな種類のフォントを使いますか?
フォントの種類といえば、多くの人がまず思いつくのが「ゴシック体」「明朝体」の2つでしょう。どちらも多くのデザインワークで使われています。

でも、フォントを使い始めると、もっとかわいかったり、ポップだったり、個性的なデザインのフォント(いわゆるデザイン書体)を使いたくなってきませんか?

フォント初心者のデザインには、デザイン書体を多く使いすぎて、フォントが悪目立ちするケースがあります。それを避けるためには、まずゴシック体と明朝体を、デザイン書体の前にしっかり使いこなすことが大切です。そうすれば、全体的にバランスの整ったデザインを作りやすくなります。
ゴシック体と明朝体を使いこなすと、以下のようなメリットがあります。

  1. シンプルでまとまりのあるデザインができる
  2. デザイン書体を使った部分を、ポイント的に引き立てることができる

この2つを詳しく解説する前に、明朝体とゴシック体がどういう書体かを簡単にみていきましょう。

1. ゴシック体と明朝体ってこんな書体

ゴシック体

線の太さが一律なゴシック体。明朝体に比べてフランクな印象があります。ウエイト(太さ)によって、細いと繊細、太いと力強くインパクトがでる…と大きく印象が変わります。昔からさまざまなシーンで使われますが、飾りが少なくデザインがシンプルな書体なため、最近では文字がつぶれやすいプレゼン資料でも重宝されています。

文字の先が丸い「丸ゴシック体」もあります。普通のゴシック体だと「固すぎる」と感じるときにソフトな印象をプラスできます。

形の特徴

  • 線の太さが一律
  • ウエイトによって、繊細さや力強さなど、さまざまな印象を出せる
  • 線の先が丸い丸ゴシック体もある

明朝体

上品でフォーマルな印象の明朝体。高級感やフォーマルな印象にしたいときに活躍します。縦線が太く横線が細いため、視線の縦移動の流れが作りやすい書体で、縦組みを読みやすく仕上げることができます。よく縦組みの書籍や雑誌の本文で使われるのはこのためです。

形の特徴

  • 漢字は横線が水平な直線的な形。ひらがなは筆で書いたような曲線的なライン
  • 漢字は線の終わりに三角形のうろこがある
  • 漢字の縦線が太く横線が細いため、縦組みで読みやすい

ゴシック体も明朝体も、デザインでよく使われる書体のスタンダード。
次の項目では、ゴシック体と明朝体を使いこなすメリットを説明します。

2.ゴシック体と明朝体を使いこなすメリット

メリット1. シンプルでまとまりのあるデザインができる

ゴシック体と明朝体は、スタンダードな書体だけに、見る人の目になじみ余分なノイズを与えません。読む人の意識を内容に集中させることができます。デザイン書体だと形のユニークさゆえに個性が出すぎて、紙面にまとまりを作るのが難しく、読む人の意識も、内容よりも見た目に向いてしまいます。

例1 チラシの例

デザイン書体ばかり使った場合
  • どの情報も大事だからそれぞれで目立つデザインのフォントを使ってみたけど、全体的にまとまりがなく、焦点が合わない印象。
  • フォントのデザインに飾りが多いので、長い文章が少し読みにくい

ゴシック体でまとめた場合
使用書体:A1ゴシック
  • スッキリまとまって、野暮ったくなくなった!
  • 文字のデザインがシンプルで読みやすくなったので、情報が伝わりやすくなったと思う!

例2 招待状の例

デザイン書体ばかり使った場合
  • オーケストラの演奏会だから、高級感のある感じにしたくてイラストや色を選んだのに、なぜか高級感がない
  • フォントがごちゃごちゃして、落ち着きなく洗練されていない雰囲気
明朝体でまとめた場合
  • 明朝体を使ったので、高級感がでた!
  • 一つの書体で統一したので、全体的にまとまりや落ち着きがでて、洗練された雰囲気になった!

デザイン書体を多用するよりも、ゴシック体・明朝体を使った方がきれいにまとまりやすい場合があります。もし、「ちょっと寂しい」「もっとインパクトを出したい」という時は、下の記事を参考にウエイトや文字サイズを変えて、紙面を飾ってみましょう。

メリット2. デザイン書体を使った部分を、引き立てることができる

では、デザインをするときはゴシック体と明朝体のみを使って、デザイン書体は使わない方がいいのでしょうか?もちろんそんなことはありません! ゴシック体と明朝体とうまく組み合わせて使うことで、まとまりの中にワンポイントを作ることができます。それがメリットの2つ目の「デザイン書体を使った部分を、引き立てることができる」です。

先ほどの例に、一部だけデザインフォントを取り入れてみました。

チラシの例

使用書体:竹+A1ゴシック
  • 見出しの「WINTER SPORTS同好会」「活動内容」にのみデザイン書体を使ったので、紙面がごちゃごちゃせずに、デザイン書体の部分がうまく目立ってる!
  • 長い文章はゴシック体なので読みやすい!

招待状の例

使用書体:解ミン 宙+リュウミン
  • 明朝体だけだと作りたいイメージよりも少し固すぎると思ったけど、タイトルの「ご招待状」にデザイン書体を使うことで、高級感の中に少しくずした感じを出せた!
  • ベースが明朝体なので、高級感のある雰囲気もそのまま残せた!

3. まとめ

ゴシック体と明朝体を使いこなすと、以下のようなメリットがあります

  1. シンプルでまとまりのあるデザインができる
  2. デザイン書体を使った部分を、ポイント的に引き立てることができる

フォントがたくさんあると、ついデザインがおもしろい書体を使いがちですが、まずはゴシック体と明朝体を使いこなして、使う書体を数を少なくした方が、きれいなデザインを作る近道になることが多いです。
ゴシック体と明朝体をうまく使いこなせるようになれば、あなたがデザインマスターになれる日も近いかも!?!


みんなのフォントの感性をONにする、モリサワ FONT SWITCH PROJECTのSNSをフォローして、フォントをもっと楽しもう!

全書体が使える!学生向けフォント製品「MORISAWA PASSPORTアカデミック版」はこちら
月額330円から使える・ビジネス向けUDフォントはこちら