インタビュー

2020.08.12

三重県いなべ市 企画部政策課 佐藤祐孝様インタビュー

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Q. どんなお仕事をされていますか?

市における総合的かつ長期的な運営を図るための計画である総合計画の策定や社会情勢の変化に応じた簡素で効率的な行政運営を図るための行政改革の推進など将来のいなべ市に携わる仕事をしています。
また、近年は、東京一極集中を是正し、地方の人口減少に歯止めをかけ、日本全体の活力を上げることを目的とした一連の政策である地方創生の担当もしています。いなべは首都圏のように人口が潤沢ではありません。ですので、人口減少に歯止めができるような「人口ビジョン」に沿って、地方創生課題に向き合い活動することは非常に重要なことだと考えています。
一見、堅いイメージを持たれると思いますが、非常にチャレンジングな事に取組めるのが魅力です。例えば、地方創生の課題を解決するために産学連携を実施するなどは、内外の多くの調整が必要ですが、そこで得る感動は病みつきになります!

Q. フォントのスイッチが“ON”になった瞬間

もともと、広報担当者がモリサワユーザーであったので、フォントを変えることの意味合いには関心がありました。
それくらいの知識で、小谷村で産官学連携の発表会があると言われて見学に行きまして、その時、学生のプレゼン資料へのモリサワさんのフィードバックを聞いたんです。

簡単に説明すると、小谷村の地域課題に対して武蔵大学の大学生が、企画をたて小谷村の方々にプレゼンするといった企画でした。 そのプレゼン資料を「伝わる」化することをお手伝いしたのがモリサワさんでした。

フィードバックでは、「なぜ、このウェイトでタイトルにしていますか?理由はありますか?」や「この色の上に、文字をのせるのは読みやすいでしょうか?」など、今まで聞いたことのない指摘ばかりでした。

今思うと、モリサワさんはレイアウトについてブラッシュアップする観点でお話しされていたので、全くその通りなのですが、未だかつて、資料をそのような視点で見たことがなかったですし、自身でもフォントやレイアウトを意識して作ったことがありませんでしたので、ビビビッと雷に打たれたような感覚になりました。 「伝わる」資料には、そんな秘訣があったのか?!と。 それがONになった瞬間ですね。

Q. よく使うモリサワのUDフォントとそのご利用シーンはなんですか?

昨年(2019年)の10月に庁内の全てのPCにUDフォントを入れてから、通達を出したりはしていないのですが、各部署へ声かけをしているので、自然に、活用が広まっています。
いなべ市はSDGsの取組みをより強化しています。このSDGsの目標の多くにユニバーサルデザインの考えはマッチしているため、この取組を伝える冊子、プレゼン資料などには必須で、UDフォントを使用しています。

私がよく利用するのは
 ・BIZUD新ゴ
 ・UD黎ミン
です。
私は仕事柄、行政職員の視察案内では資料を用意します。
先日も北村大臣が起こしになられましたが、このような時の書類等は、「UDデジタル教科書体」を使用しています。自分も読みながら説明をするので、一番読みやすいフォントを選んでいます。

また、先日SDGs未来都市自治体SDGsモデル事業に選定いただいたのですが、ここに掲載している資料もいなべ市は、UDフォントをフル活用しています。

いなべ市公式ウェブサイト
2020年度SDGs未来都市及び自治体SDGsモデル事業への提案資料が掲載されている内閣府ホームページはこちら

恐らく、資料と見比べると一目瞭然だと思います。

Q. これからチャレンジしたいこと(将来のビジョン)

新しい地方創生の仕事にも挑戦をしているので、若者が「ずっと住み続けたいな」、「就職や、結婚で離れてもいずれ戻ってきたいな」と思えるまちづくりをしたいです。

縦割りが強いのが行政の特徴かと思いますが、一方で庁内職員の思いは強いです。縦割りの垣根を超えたところでみんなが力を発揮できるような環境を作れれば、自ずと良い取り組みができると思っています。そうすることで、行政の取組を加速させられるんじゃないかとも考えています。 最終的には、「魅力」と捉えてもらえるようなモノづくりができると、よりみんなにビジョンを伝えられると思うので、まずはそこを目指したいです。

Q. これからモリサワのUDフォントに期待することは何ですか?

UDフォントを利用してきて、また、モリサワさんと様々な取組を共にしてきて思うことは、もしかすると一つのフォントが万人受けをするということはないのだ。と、思いました。
UDフォントの中でも、こんな人にはこのフォント、などその人の見え方、その人の環境に沿ったフォントの開発を期待します。

そこでさらに思うのが、多くのバリュエーションがある環境は、人々の心の健康にもつながり、しいては、人生の健康に結びつく気がしています。 例えば、文字を読む環境が劣悪であればストレスがかかります。劣悪とは、長時間モニターをみることや、文字が認識しづらい環境のことです。ここで情報取得しやすいフォントに変えることでストレスが軽減できれば、これは人々の健康に繋がると思うのです。

ぜひ、健康に対しての実証検証を協業で行うなど、住民の健康に繋がる取組をして、さらにUDフォントの素晴らしさを多くの方に理解してもらいたいと考えています。