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フォントメーカーのモリサワが、フォントの基礎知識をレクチャーするシリーズ。今回は「骨格・ふところ・重心」について解説します。
前回の記事では、「字面」について解説しました。
字面の大きさによって、見る人に与える「圧」を変えられることがわかりました。
今回は、文字のバランスを決める「骨格・ふところ・重心」について解説します。
明朝体を使いたいというところまでは決まっているけど、どの明朝体を選んだら作品に合うのかわからなくて困った経験はありませんか?
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そんな時、フォントの「骨格・ふところ・重心」の考え方を知っていると、こんなメリットがあります。
1.似たようなフォントの違いが見極められる
2.イメージに合ったフォントが選べるようになる
まずは「骨格」「ふところ」「重心」それぞれの用語について、解説します。
1.骨格・ふところ・重心とは?
骨格
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「骨格」は、文字の画線の「芯」にあたるものです。
人間の身体で例えるなら、「骨」に近いものかもしれません。例えばダイエットをして筋肉や脂肪の量が変わっても、もともとの骨の形は変わらないので、身長や脚の長さは変わりません。自分の体型のことを知るには、まずはどんな骨の形をしているかを知っていることが大切になります。
同じように、その書体のことを知るなら、どんな骨格を持っているのか観察することが大切です。骨格のバランスによって、書体全体のバランスが決まるからです。
具体的には、次の項目で説明する「ふところ」の広さや、「重心」の高さが決まります。
ふところ
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「ふところ」とは、文字の一画と一画が構成している、内側の空間のことを言います。
人間の身体で例えるなら、ふところが広い書体はふっくら体型、狭い書体はスリム体型のようなイメージでしょうか。ふところが広い書体を選ぶとゆったりした印象、狭い書体を選ぶとひきしまった印象を見る人に与えます。
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重心
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「重心」は、文字のバランスの中心の位置を表します。
人間の身体で例えるなら、おへその位置が高めか低めか…というようなイメージでしょうか。
重心の位置が高めなら緊張感や品格を生み、低めなら安定感や親しみやすさを感じさせます。
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2.似たようなフォントの違いが見極められる
骨格・ふところ・重心のことが分かったところで、改めてどちらの書体が新曲のタイトルに合っているか、考えてみましょう。
一見似たようなデザインに見えても、ふところの広さや重心の高さが違っているのがわかります。
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CDジャケットの文字なら、どんな曲なのか伝わるような書体を選ぶと良いでしょう。
ゆったり聞かせるカジュアルな曲には、ふところが広く重心が低い書体。
きっちりしていて上品な曲には、ふところが狭く重心が高い書体。
そんな風に、書体を見極めるポイントを知っていると、選ぶ際のヒントになります。
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3.イメージに合ったフォントが選べるようになる
ここまでの説明をふまえて、骨格・ふところ・重心に着目して、見る人に伝えたいイメージにぴったりのフォントを選んでみましょう。
気軽に参加してほしい料理教室の看板
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細身でおしゃれだけど、重心が高い書体を選んだら、緊張感が出てしまったかも。ちょっと敷居が高そうに見えるかなぁ。
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同じ細身のフォントでも、重心が低い書体を選んだら、カジュアルで気軽に参加しやすい雰囲気になった!
恩師に送りたい年賀状
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年賀状だから筆っぽい書体を選んだけど、何だかかしこまった感じが出ないなぁ。
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重心が高くてふところが狭い書体を選んだら、きちんとした感じが出てきた!
3. まとめ
文字のバランスを決める「骨格・ふところ・重心」がわかるようになると、以下のようなメリットがあります。
1.似たようなフォントの違いが見極められる
2.イメージに合ったフォントが選べるようになる
骨格の作りや重心の高さ、ふところの広さなど、書体の「目の付けどころ」がわかると、書体選びがもっと楽しくなりますよ!
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