インタビュー

2017.09.06

長岡造形大学 天野誠先生インタビュー

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長岡造形大学
造形学部視覚デザイン学科
天野 誠先生

Q.どんな授業を担当していますか?研究分野はなんですか?

主な授業はタイポグラフィと視覚デザインの基礎的なものです。 専門分野はエディトリアルデザインです。

Q.フォントの感性が“ON”になった瞬間

学生時代、アルバイト先のデザイン事務所で先輩に欧文書体の世界を教えてもらった時です。 あと写植文字の合理的なシステムを知った時は衝撃的でした。それまで自分が知っていたデザインとはまったく別の思想に出会った時です。

Q.好きなモリサワフォントとその理由

活字の名残がある書体が好きです。例えば「秀英初号明朝」や同シリーズの仮名書体です。 質問の意図からは外れますが、書体を選ぶ時の基準はテーマや目的によるので、信頼性のある書体の中での「好み」で選んで使っています。

Q.先生から見たこの学校の学生って?

非常に真面目です。最近特に感じるのは、答えの導き方をよく考えていると思います。それはデザインが解決すべき問題にきちんと向かい合っていることだと思いますが、厳しい言い方ですが、逆にデザイン慣れしてしまっている危機感も感じます。
周りの評価を気にしすぎていて、失敗を恐れているようにも感じます。

Q.スイッチが「OFF」になる瞬間

なかなかOFFにならないですね。私たちの生活には常に文字が存在していますから、どの文字を見ても気になってしまいます。本を読んでいても内容よりも書体、字間、行間などが気になって前に進まないことがあります。

Q.これからチャレンジしたいこと、興味のあること

すでに始めていることですが、美術予備校時代からの師匠に卒業生たちの活動をまとめた本を作るよう託されているので、最高のデザインができるようにしたいです。 あとこれはまだまだ先のことですが、卒業生と一緒に仕事がしたいです。先生と教え子という立場ではなく同じデザイナーとして。
興味のあることは、タイポグラフィが専門分野の人たちだけの技術や表現ではなく、一般の人々にどう浸透させられるかです。例えば国語や数学などの科目と同じように、自然にタイポグラフィが学べたら面白いと思うのです。