インタビュー

2024.02.28

【早稲田大学】学生さんインタビュー!理工系研究現場のフォント活用術

見出し: 本文:

早稲田大学 理工学術院(基幹理工学部 応用数理学科)早水桃子研究室の4名の学生さんには、研究資料作成にモリサワのフォント(Morisawa Fonts)をご利用いただいています。 クリエイティブ業界で愛好する方が多いモリサワのフォントですが、研究発表資料の分野ではどのように活用されているのでしょうか?

モリサワ
モリサワ

みなさんは先日、卒業論文・修士論文のプレゼンを終えられたということですが、発表スライド作成をする際、どのようにモリサワのフォントをご活用いただいていますか?

shell-nutsさん
shell-nutsさん

今回の卒論発表では、UD新ゴを使って発表スライドを作成しました。

多くの人にとって読みやすいことをコンセプトに設計されているUDフォントのラインナップの中でも、研究室の早水先生が愛用しているフォントだったので憧れがあり、使い始めました。使ってみると文字の線の太さが一定で、形もはっきり分かりやすく、発表スライドの文字の可読性が上がったなと思います。

とらさん
とらさん

私も修士論文の発表会のスライドには、和文はUD新ゴを使いました。

併せて英文のフォントにはClarimo UD PEを使用しています。日本語と英語の相性のいいフォントの組み合わせには関心がありましたが、Clarimo UD PEはUD新ゴとの併記を目的に開発されているので、スライド全体の統一感が出たと思います。

また、今後ぜひ使ってみたいと思っているのが、コンデンス書体です。視認性・可読性を損なわず、狭いスペースに多くの情報を入れられるので、参考文献を多く掲載したい場合にいいですね。

朝型人間さん
朝型人間さん

私は、修士論文のスライドには見やすく目立つフォントを使いたいと思いUD新丸ゴを使用しました。

以前はカクカクしたフォントを使っていたのですが、もう少し丸みのあるフォントが欲しいと思っていました。カクカクだと固い印象になるので、優しい感じを出したかったんです。プレゼンの場はフォーマルではありますが、研究室以外の普段コミュニケーションをとらない教授にも説明します。その分野に触れたことのない人でも親しみやすく、情報が受け取りやすいのではと思い選びました。

また、これまで選択可能な文字の太さは「太い」か「細い」の二択でした。細くすると見にくくなる場合は太いまま文字サイズを下げたりしていたので、少し窮屈だなと感じていました。UD新丸ゴは文字の太さのバリエーションが6種類と多く、何て素晴らしいんだ!と使い勝手の良さを実感しています。

幅広いラインナップから自由にフォントを選択することができるこの利便性を知った今、もう元には戻れなさそうです。

モリサワ
モリサワ

どなたも発表内容の伝わりやすさという点で効果的にフォントを選択してくださっていますね。フォントがこんなにお役に立っているとは!研究発表スライドでお悩みの方にぜひ知っていただきたいです。こういった知識はどうやって学ばれているのですか?

朝型人間さん
朝型人間さん

早水先生の研究室に所属して、このような世界があると少しずつ認識できました。完成したものを先生に見てもらって、アドバイスをたくさんしてもらって、それの繰り返しですね。

文字の読み書きに困難を伴う障害があることは知っていましたが、使うフォントやレイアウトが可読性に影響することや、フォントを変えることでそう言った方々にも配慮することができるということを最初は全く知りませんでした。

まえしゅんさん
まえしゅんさん

数学系の研究界隈ですと、見やすいスライドとか、伝わるかたちとか、そういう意識がまだまだ高くないと感じています。しかし、資料の見やすさについてもしっかりと指導される研究室です。

例えば、高校までだと色々な参考書でもグラフィカルで分かりやすく表現されていたのに、大学になったとたん難易度の高い内容が活字でびっしりと書かれるようになって、私もだんだんそれが当たり前になっていました。でも、やっぱり見やすいレイアウトの方が学びやすいですよね。この研究室に入って、考え方も変わりました。

今では、見やすい資料作成を心掛けていて、こちらはLaTeXという文書作成ツールでフォントを細かく設定し、授業レポートを作成しました。LaTeXはWordに比べて数式を容易に挿入でき、図版の配置も数ミリも狂いもなく調整できるので、理工系の分野を中心に論文執筆の標準となっています。

レイアウトに加えてフォントも設定出来たことでより読みやすいレポートができたと思います。

モリサワ
モリサワ

これまで研究室でフォントやレイアウトの重要性を学んでいたからこそ、幅広いラインナップのフォントを使いこなしていらっしゃるのですね。他にはどんなところでご利用いただいていますか?

まえしゅんさん
まえしゅんさん

個人的に適切な活用法だと感じたのは、研究で必要な申請書の本文にUD黎ミンを使用したときです。

レポートの場合は、行間を読みやすく設定出来たりしますが、申請書はフォーマットが決まっていることが多く、限られたスペースに伝えたい内容を全ておさめる必要があるので、情報を整理したうえでもスペースいっぱいになってしまうケースも多いです。

行間のスペースを適切にとれない場合でも、これまで使っていたフォントからUD黎ミンに変えることで、内包されている空間が広いので、文字が大きく見えてかなり読みやすいなと感じました。

申請書をチェックする側は、多くの申請書を見なければなりませんから、少しでも自分の申請書に時間を割いて目を通してもらえるよう、より読みやすくする配慮も大切だと考えています。

あとは、Webブラウザのフォントを全てUD新ゴに設定しています。

私はそもそも活字を読むことが好きではなく、こどもの頃から本も積極的には読みませんでした。UD新ゴだと、読むことのストレスがすごく和らぐというか、読むスピードが速くなったと感じています。

もう見慣れてしまったので改めて読みやすいということも意識はしていないのですが、これまでと比較すると、より自然に情報が入ってくるようになったなと思います。

とらさん
とらさん

英語の論文などを執筆する際、エディターの編集画面のフォントを表示フォントをRole Soft Display Proに設定しています。

英文が読みやすいフォントがないかなと探したところ、自分的にしっくりときたのでこれを選びました。全体的に読みやすいのですが、個人的な推しは、小文字の「u」とか「l」ですね。最後にちょっとだけ右側に飛び出てるのがかわいいんですよ!テンションも上がって作業がはかどる気がしています。

まだどのフォントが良い悪いと自分で評価するのはなかなか難しいですけれども、選択の幅が広がって、試すだけでも楽しいです。

shell-nutsさん
shell-nutsさん

私は、ミュージカルサークルに所属していて、公演するミュージカルに関連する制作物を担当しています。チラシなどの作成にもモリサワのフォントを活用しています。
今までチラシを作るときは、無料の制作ツールの中で限られたフォントしか使ったことがなく、物足りなさを感じていました。モリサワのフォントを使うと、欧文のタイトルなど、作品の世界観に合った読みやすいものが選べることが良いです。会場の案内や住所、チケットの値段など、日本語で表記する箇所も、細かい文字でも読みやすくなったなと感じています。

モリサワ
モリサワ

みなさまありがとうございました。発表スライドに限らず、研究に関わる申請書や、授業レポート、論文執筆など理工系研究現場での実用的なフォント活用術ばかりでしたね。課外活動にも活用いただいているという方もいらっしゃり、モリサワのフォントが理工系の学生さんにもお役に立っているということが実感できてとても嬉しくお話を伺いました。

ぜひこれからも、みなさんそれぞれの視点で多彩なモリサワのフォントをご活用いただければと思います。モリサワとしても、このような輪をもっと広げていきたいです。

学生さんの所属研究室の早水先生とのコラボYouTubeはこちら

早稲田大学 早水桃子先生とのコラボ添削!研究発表スライド 劇的ビフォーアフター①