障害者差別解消法の改正と合理的配慮の提供義務化
2024年4月に障害者差別解消法が改正され、合理的配慮の提供が義務化されました。
障害者差別解消法とは、行政機関や事業者に対して、障害のある人への障害を理由とする「不当な差別的取扱い」を禁止し、障害のある人から申出があった場合に「合理的配慮の提供」を行うことを定めた法律です。
これまで努力義務であったものが、今回の改正により義務化されたことで、合理的配慮を提供するための取り組みは大きく重要性を増しました。
私たちは、フォントのメーカーとして、文字の観点から合理的配慮の提供のお手伝いをいたします。
参考:リーフレット「令和6年4月1日から合理的配慮の提供が義務化されました」 内閣府
合理的配慮とは?
障害をもつ人は、社会的障壁(バリア)によって生活しづらい場合があります。
障害をもつ人が、社会や職場で平等に生活を送れるように何らかの対応を必要としているとの意思が示された時には、負担が重すぎない範囲で対応することが求められます。
UI(ユーザーインターフェース)においては、内容の分かりやすさはもちろんですが、見やすさにおいても合理的配慮の提供を求められる可能性があり、読みやすさ、伝わりやすさへの工夫が必要です。
「伝わりやすさ」への配慮の例
・文字の読みやすさや表示サイズ
・分かりやすい配置・レイアウト
・色覚異常者や障害者、高齢者に配慮した配色
・日本語以外の言語への対応
「見やすさ」への配慮とユニバーサルデザインフォント
日本では、視覚障害者が164万人(2009年 日本眼科医会)いると推計されており、65歳以上の高齢者の数を加えれば、実に3割の人が見やすさに不便を持っていると言うことができます。
フォントメーカーであるモリサワでは、見やすさに不便を持っている人も平等に情報へアクセスできるよう、「文字」の観点から合理的配慮の提供をサポートします。
UD(ユニバーサルデザイン)書体とは?
UD(ユニバーサルデザイン)フォントとは、ユニバーサルデザインの考えに基づき、「文字のかたちがわかりやすい」「文章が読みやすい」「読み間違えにくい」をコンセプトとして作られた書体です。
視覚に障害をもつ方が情報にアクセスしやすくなるのはもちろん、日常生活の中で文字が見づらい、わかりにくい、といったシーンでも力を発揮し、どなたにでも適切に情報が伝わるよう設計されています。
可視性や可読性のエビデンス
モリサワは、UDフォントの可視性・可読性を検証する比較研究に大学、医療機関などの第三者機関と取り組んでいます。
研究の中で、ロービジョン(弱視)やディスレクシア(読み書き障害)の方にとっても最も読みやすい書体として、読みやすさのエビデンス(科学的根拠)を取得しています。
UDフォントを利用することで、誰もが平等に情報へアクセスできる環境づくりをサポートし、合理的配慮の実現に貢献できます。
フォントの活用
UDフォントはさまざまな場面で活用いただいています。
アプリケーションやクラウドサービス、電子機器などにUDフォントを使用することで、視覚に障害を持つ方へ配慮したサービスを提供することができます。
株式会社MetaMoJi | リアルタイム授業支援アプリ『MetaMoJi ClassRoom』
先生の操作や書き込みをリアルタイムで生徒と共有して授業を進められるタブレット向けアプリケーション『MetaMoJi ClassRoom』に「UDデジタル教科書体」を導入。
『MetaMoJi ClassRoom』は障害者支援学習の現場でも広く導入されており、ロービジョンやディスレクシアに配慮されたUDデジタル教科書体は、文字の見え方に困難を抱えている子どもたちにとっても読みやすいと、現場の先生方の話題に上がることも多いという。
ヴェルク株式会社 | クラウド請求書作成サービス『board』
見積書や請求書の作成をはじめ、営業管理や受発注管理などの周辺業務を一元的に管理できるクラウドサービス『board』に「UD新ゴ」を導入。
サービス利用者だけでなく、その先にいる、電子帳票を目にする人にも届くアクセシビリティ改善。
まずは無料でフォントを使ってみたい方へ
ご利用を検討されている機器やアプリケーションに、実際に組み込んでお試しいただけます。
アウトラインフォントとビットマップフォントのどちらもご用意しています。
もっと詳しく知りたい方や、お⾒積りをご希望の方へ