インタビュー

2019.11.01

京都造形芸術大学 河野 綾先生インタビュー

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京都造形芸術大学
通信教育部 情報デザインコース
河野 綾先生

Q. どんなジャンルの授業をされていますか?

グラフィックデザインの演習科目や発想・構想を鍛える科目などを担当しています。通信教育部なので、添削指導や京都・東京のキャンパスで週末スクーリングとして授業をおこなっています。

Q. フォントの感性が“ON”になった瞬間

徐々に“ON”になりました。

学生時代、名刺の課題で書体の存在や文字を打つ専門の方がいることを知って驚きました。デザインの制作会社に入った頃、現場ではアナログからデジタルへの移行期でしたが、写植屋さんで文字を打たせてもらったり、モンセンの欧文書体にうっとりしたりと、仕事を通して徐々に文字に近づいていった感じで、まだまだ私は近づいている途中だと思っています。

Q. 好きなモリサワフォントとその理由

本明朝です。
文字数の多い紙面で、見た時の濃度がすごくしっくりくる。こういうイメージで作りたいなと思って入れた時に、自分の思い描いたデザインイメージの濃度に近い。自分のなかで定番書体ですね。

Q. 先生から見たこの学校の学生って?

通信教育部の学生の年齢層はとても幅広いのですが、私の所属する情報デザインコースでは20~40代までの社会人が中心です。

日常生活との両立が大変そうですが、熱心に学習を進めています。自身の能力を高めようと、学びを重ねる向上心の高い方が多いですね。様々なバックグラウンドを持った方が集まり、逆に教えられることも多く、世代や立場を超え、互いに学びあえる場となっています。

Q. スイッチが「OFF」になる瞬間

実はOFFになっていることが多いかもしれません…。

美しい文字の扱いやデザインに出会ったり、逆にデザインされていないギューギューの行間や意外な書体の選択、手書き文字の貼紙を見かけた時など、感動や驚き、おかしみ、愛おしさでフォントスイッチが入っちゃいますね。大学近くのお寺に武田信玄や豊臣秀吉の書状があるのですが、文字の形を追って武将の性格を妄想してしまいます。

Q. これからチャレンジしたいこと、興味のあること

教育の仕事でもデザインの仕事でも前年と同じことはまずないので、毎日毎年新しいこととの出会いを楽しんでいます。いま、デザインとは離れた領域からデザインを眺めてみようと挑戦、準備中です。机の上だけでなく、人や社会のなかでデザインの役割をもっと考えていければ、より広い視野が持てればと精進中です。やりたいことはめちゃくちゃあるんですよ!(山登りなども)

京都造形芸術大学の佐藤淳先生と、お写真を撮らせていただきました!(2017年7月撮影)