induction course

2025.06.06

1年生が文字を“知る”はじめの1歩! 東北芸術工科大学様へ出前授業に行ってきました

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2025年4月9日に東北芸術工科大学様にて出前授業を行いました!
受講生はデザイン工学部グラフィックデザイン学科の1年生約60人。グラフィックデザイン学科ではモリサワのフォントをご導入いただいています。つい1週間前に入学したばかりの、フレッシュな学生さんです!
「コミュニケーション基礎1A」の初回授業にお邪魔し、授業の導入として文字に関する基本講座を実施しました

本レポートでは、講義実施の様子と参加者の声、担当教授のインタビューを通じて東北芸術工科大学様の「文字に関する取り組み」をお届けします。

セミナー内容の紹介

テーマとしては「文字に『気づく』」「文字を見る眼を養う」で、文字を知る第一歩を一緒に踏み出せるようなカリキュラムでした。

まずは身の回りの文字をじっと観察するところから、授業がスタート!

文字の歴史から文字デザインの基本、製品の使い方まで幅広くお話をしました!

また座学だけでなく、フォントを見る「眼」を養う練習として、フォントの形を見て特徴をとらえるワークショップも行いました。

このワークショップは、モリサワ社内で実施した時に社員から「難易度が高い」と評判(?)だったのですが、学生さんはさらに白熱……! 周囲の人とも意見交換をしながら、熱心に取り組んでいただきました。目指せフォント探偵!

途中から先生も解説に参戦! プロのデザイナーならではの着目ポイントも示していただき、充実した講義となりました。

話者:中山ダイスケ学長、右:髙谷廉准教授

学生の反応 – リアルな声と変化

アンケート満足度:4.8/5

「本日の授業を通じて、フォントに興味を持ちましたか?」については、回答者全員に「大変そう思う」「まあそう思う」とお答えいただきました。

また自由記述欄では、文字を知る第一歩を踏み出せた、というお声をたくさんいただきました!

学生A
学生A

今回の授業を経て、早速ポスターや動画、スライドなどで使われているフォントをいつもよりじっと見るくらい興味が湧いた。

学生B
学生B

今まで正直フォントというものにはあまり関心がありませんでしたが、ここまで奥が深いものだとは思ってもいませんでした。自分の未知の世界に足を踏み込むきっかけを与えてくださってありがとうございました!

学生C
学生C

フォントを選ぶ際に主観だけでなく、元々のフォントが持つ特徴から選択し、ターゲットへ向けた伝え方をしていけるよう、目を鍛えていきたいです。

学生D
学生D

実際にフォント探しをしてみることで、フォントの特徴を細かくみる機会ができて面白かった

担当教授にもお話を伺いました

髙谷 廉 准教授
仙台生まれ。東北芸術工科大学芸術学部彫刻コース卒業。good design companyを経てAD&D設立。主な仕事に、ロート製薬妊活プロジェクト”THE LOVING INSTRUCTION MANUAL”、六本木ヒルズファッションキャンペーン “FLOWER LUSH IN ROPPONGI HILLS”、Bunkamura 25周年のVI、PARCO GIFT 、社会人向け講座“夏芸大”や東北芸術工科大学卒展の宣伝美術など。主な受賞に、CANNES LIONS, ONE SHOW, NY ADC, NY TDC, D&AD, The Brno Biennial, GOLDEN BEE, Taiwan International Graphic Design Award, China International Poster Biennial Award, JAGDA新人賞、空間デザイン賞、造本装幀コンクール、日本タイポグラフィ年鑑グランプリほか。

なぜこの講座の最初で機会をいただけたのでしょうか?

髙谷先生(※以下髙谷):当大学の課題として、コマ数の減少で文字に関する授業が少なくなってしまったことが挙げられます。2~3年生に上がると、ポートフォリオやポスターの制作など文字を使う演習も増えてきますが、肝心な文字に関する基礎の部分に割ける時間が少ないのです。

例年、1年生の前期授業では“感覚を養う”という観点からフィールドワークによる観察の授業をしてきましたが、先の理由により本年度から文字に関する基礎に触れてもらうことになりました。前期前半クォーターの演習課題は、レタリングから始まり平面構成、立体構成、レイアウトまでを行います。

そこで今回、レタリング課題の導入として「人間がコミュニケーションをする上で文字は重要なものである」と学生に伝えていただきたく、モリサワさんへご依頼させていただきました。
モリサワさんによるレクチャーは、全体的にレベルの高い内容ではありましたが、コミュニケーションの視点から文字の重要性、書体選びの重要性などが十分に学生へ伝えられたのではないかと思います。

芸工大(東北芸術工科大学)全体において、文字に対する意識はいかがでしょうか?

髙谷:当校の学生が制作するものには、文字の詰め方・組み方、レイアウトなどが甘いと思うことがあります。グリッドの使い方や間隔、文字間など……基礎知識あっての個性ではなく、基礎知識がないうえで何となくやっている感じがあるんですよね。

僕は芸工大の彫刻出身で、グラフィックデザインは独学です。デザイナーになりたての頃は、Macやadobeのアプリケーションのおかげで文字まわりのデザインは何となくできてしまっていました。
ところが、後にお世話になった(以前所属していた)good design companyでは、“文字に対する想い”が全く違っていました。プロジェクトとして俯瞰でデザインを見ることはもちろんですが、細かいディテールへの愛情は独学の自分にとって大きな衝撃でした。どのスタッフも文字に対する知識と造詣が深く、在籍中は文字の基礎のみならず、デザインの基礎、そしてコミュニケーションの基礎など多くの学び直しがありました。

もちろん当校の学生が制作するものは芸工大生にしかできない良さがたくさんあります。一方で、文字をはじめとする情報伝達の技術については、大学全体がベースアップしていくべき部分だと考えています。
文字に対する意識・関心度を上げていくことが大事ですし、世に出ている制作物や事例を見て「なぜこれが美しいのか」「なぜ評価されているのか」を観察して、審美眼を鍛えることも必要だと思います。

モリサワは文字の活用を支援しています!

東北芸術工科大学様、ありがとうございました!

情報を伝えるにあたって文字は不可欠です。それはグラフィック領域だけでなく、すべてにおいて文字は情報伝達の根幹を担います。そして、学生のうちからプロと同じ文字環境を整えることが、確かな実力を築くベースになります。
文字をより効果的に活用できるよう、モリサワ製品をご導入いただいた学校様には、こうした授業をはじめとしたさまざまな支援を行っています。

フォントの導入をご検討されている学校様はぜひ、まずはお問い合わせください!

追記

東北芸術工科大学、校舎がメチャクチャかっこいい……!
外側に能の舞台がありました。鬼瓦の迫力がハンパない。

自然に囲われて高台で気持ちがいい! 環境がすごくいいなと思いました。

学食もいただきました。写真は日替わりのビビンバ丼です。おいしかった!