
「人前で話すのが苦手…」「資料がうまく伝わらない…」
そんな悩みを抱えるビジネスパーソンに向けて、「明日から使える! 伝説の家庭教師×文字のプロから学ぶ『伝わる』最強プレゼン術」セミナーを開催しました。
本セミナーでは、コミュニケーション戦略研究家であり、多くの大企業の経営者やグローバルエリートを指導されてきた「伝説の家庭教師」こと岡本純子氏と、フォントとデザインのスペシャリストである株式会社モリサワの橋爪明代に登壇いただき、明日から実践できる、相手に「伝わる」ためのプレゼンテーション制作の極意をそれぞれの専門分野から徹底解説!
本記事では、その熱気あふれるセミナーの模様をレポートします!
各セッション内容
プレゼンテーションは、視覚情報だけでなく、話し方やコミュニケーション術がとても重要です。
今回のセミナーでは、岡本純子氏、モリサワ橋爪明代の専門家から、多角的に「伝わる」プレゼンテーションについて学ぶ3部構成のプログラムをトータル90分にわたって実施しました。
第1部:「伝説の家庭教師」岡本純子氏が語る! グローバルエリートの極上プレゼン術
第1部のセッションでは、岡本純子氏より、人前で話す際の心構えから具体的なテクニックまで、プレゼンテーションの際に注意するべき、多岐にわたる知識とノウハウを伝授いただきました。

株式会社グローコム 代表 岡本 純子 氏
エグゼクティブ・スピーチコーチ
コミュニケーション戦略研究家
企業PRの知見や、米NYで学んだグローバルスタンダードの最先端ノウハウをもとに、次世代リーダー向けのコミュニケーションコーチングやPRコンサルティングに携わり、これまで1000名以上の社長・企業幹部に、プレゼン・スピーチなどのコミュニケーションコーチングを手掛け「伝説の家庭教師」と呼ばれている。
コミュニケーションは「科学」であり「スポーツ」
冒頭で岡本氏は「コミュニケーションの悩みを解決すると、人生のほとんどの悩みを解決できる」と述べ、コミュニケーションへの意識改革を促しました。
そして、コミュニケーションは人類学、脳科学、心理学など、あらゆる学問に基づいた「科学」であり、同時に「体で学ぶスポーツのようなもの」であると解説。誰でも必ず上達できると強調します。
伝わるための3つのルール
長年の研究から導き出したという、コミュニケーションの3つの重要なルールを解説。
・言いたいことより聞きたいこと、知りたいことを優先する
コミュニケーションはキャッチボール。自分が投げたいボールではなく、相手が受け取れるボールを投げることが重要。相手の価値、関係、関心に焦点を当て、「み・かん・ほ・かん(認める・共感する・褒める・感謝する)」の精神で臨むことが大切だと、憶えやすい語呂合わせで説明。
・インフォメーション(情報)よりエモーション(感情)
人は感情で決断する生き物のため、論理的な情報だけでなく、感情を揺さぶるようなコミュニケーションを心がけるべきだと解説。アリストテレスの提唱する説得の3要素「エートス(信頼性)」「ロゴス(論理性)」「パトス(感情)」の中でも、日本人が苦手とする「感情への訴求」の重要性を強調。
・「何を言うのか」よりも「どのように言うのか」が大事
同じ内容でも、言い方一つで相手に与える印象は大きく変わります。声のトーン、表情、ジェスチャーなど、非言語コミュニケーションの重要性を説き、「低体温な話し方」からの脱却を促しました。

ロジカルコンテンツの作り方「あみだくじ話法」から「おみくじ話法」へ
話の内容(ロジカルコンテンツ)についても解説。多くの日本人が陥りがちな、結論が曖昧で話が長くなる「あみだくじ話法」から、最初に結論を提示する「おみくじ話法」への転換を提案。
具体的な話法のフレームワークとして、「なぜなら話法」「問題解決話法」「3つ話法」などを紹介。聞き手が理解しやすく、記憶に残る「話し方の構成」の重要性を解説しました。

堂々とした振る舞い方:非言語コミュニケーションの極意
プレゼンテーションにおける振る舞い方として、メラビアンの法則を引用し、人の印象の9割は言葉以外の要素で決まると指摘。アイコンタクト、ジェスチャー、表情、声のトーンなど、具体的なテクニックを伝授いただきました。
特に聴衆への目配せ(アイコンタクト)の重要性を強調「キャッチボール方式」と呼ばれる、複数の聴衆に視線を配るテクニックを紹介。また、リモートワークにおける目線の合わせ方についても具体的なアドバイスをいただきました(常にカメラ目線を意識)。
さらに、「第一印象の重要性」「笑顔の効果」「効果的な手の使い方」「ヤッホーを3回言う」というユニークな発声練習法まで、多岐にわたる実践的なノウハウを共有いただき、岡本氏のパートは終了しました。

第2部:モリサワ橋爪明代が解説
「伝わらないのはこのせい? 3つの極意~プレゼン作成術~」
第2部は、モリサワの橋爪明代より、資料作成における「伝わる」資料作りのためのポイントを解説。
多様性に配慮したフォント選び
まず、資料やプレゼンテーションの内容が「伝わらない」とどういう状態となるかをイメージいただき、この「伝わりづらい資料」をビジュアル面で改善するため、私たちモリサワは、研修などを通じて資料作成の極意をお伝えしていることを強調します。

そして、多様性の視点を取り入れた資料作成の重要性を強調し、一般的なプレゼンテーション資料作成にはベーシックな書体(ゴシック体、丸ゴシック体)を活用いただくことを推奨しました。
資料作成3つの極意
実際のパワーポイント資料を題材に、以下の3つのポイントを解説しながら修正をすることで、最終的にスッキリと見やすい、メリハリの利いたプレゼンテーション資料の1ページが完成。
- 文字の情報を整理(重複説明を省く)
- 印象をフォントで決める
- メリハリを視覚情報(文字サイズ・ウエイト)で変える

フォントはゴシック体を選び、2種類のウエイト(文字の太さ)を使いメリハリをつけている
そしてこの考え方は、相手に「伝わる」ための仕組みを理解すれば誰にでも身につけられる「スキル」であることを強調。
第3部:岡本純子氏×橋爪明代 スペシャル対談&質疑応答
最後は、岡本純子氏と橋爪明代、両名がセミナー全体を振り返りながら、「伝わる」プレゼンテーションの核心について、対談形式で語り合います。
センスよりもスキル:誰もが「伝わる」プレゼンテーションを実現できる
岡本氏も橋爪も、本日お話した内容で共通していたこととして、プレゼンテーションは決してセンスではなく、今日学んだようなスキルを身につけることで、誰もが相手に伝わる「資料作成」そして「心を掴む話し方」ができるようになるというメッセージでした。
質疑応答:参加者の疑問にプロが答える
事前に参加者から寄せられた質問に、お二人が回答する質疑応答も以下の質問に回答。
Q. プレゼンテーション前の掴み「アイスブレイク」のヒント
Q. 発表者自身が資料作成を依頼する際、制作者と効果的なコミュニケーションを取るためのポイント
Q. 多様な聴衆に向けてプレゼンテーションを行う際に、フォントや色以外に気をつけるべきこと

これら具体的な質問に対し、それぞれの専門的な視点から実践的なアドバイスを回答した。
ここで橋爪からは「自分が読める資料は必ずしも相手に読めるわけではないことを念頭に置いて資料作成をしてほしい。そのための一つの選択肢として、UDフォントを活用いただきたい」と、UDフォントを利用して資料を作ることを推奨します。
※UDフォントの詳細は、モリサワUDフォントサイトをご参照ください。

まとめ:明日から「伝わる」プレゼンテーションを実践しよう!
本セミナーでは、二人のプロフェッショナルより「伝わる」プレゼンテーションのための貴重な知識とスキルを学ぶことができました。今回学んだコミュニケーションの3つのルール、「ロジカルコンテンツの構成術」「効果的な振る舞い方」そして「多様性に配慮した資料作成術」を、明日からのプレゼンテーションでぜひ実践してみてください。
「伝わる」資料デザイン プログラムにご興味あるようでしたら、以下のサイトをご確認ください。

モリサワでは、今後もフォントの可能性を広げ、より豊かなコミュニケーションの実現に貢献するセミナーやイベントを企画してまいります。
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研修情報:「伝わる」資料デザイン プログラム 過去記事(限定公開動画あり)のご紹介
モリサワでは、社内外に発信されるMicrosoft Office製品で制作した資料が、どのようにすれば「伝わる」資料となるのか? 実際に手を動かしながら学ぶ「伝わる」資料デザイン プログラムを法人企業向けに実施しています。
「伝わる」資料デザイン プログラムに関する、過去に実施したセミナー記事を公開しておりますので、こちらもぜひご参照ください。
「伝わる」資料デザイン プログラムに関する過去記事(限定公開動画あり)はこちら
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